家族葬儀のセレモニーアート

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【家族葬の体験談】祖父の葬儀と「赤とんぼ」

これまでの葬儀と自分にとっての感覚

初めて身内が亡くなりました。
いえ、この言い方は語弊があるかもしれません。
今までも大伯父とか、曾祖母とか、親戚でたくさんの人を見送りました。
でも年に一回会うかどうかの人ばかりだったので、人が死んで悲しい気持ちはあれど、特に取り乱したりするほどではありませんでした。

今回「初めて」と言ってしまうほど衝撃を受けたのは祖父の死でした。

私は大学進学を機に上京してしまったので、共に過ごしてきたのは18年間です。
祖父は頑固で些細なことで機嫌を悪くしてしまいますが、すれ違い際にお尻にタッチしてきたり、おつまみをしきりにすすめてきたりとお茶目なところもある人でした。
私は初孫でしたし、祖父の兄弟・子どもともに皆男ばかりでしたので、初めて接する女の子ということで特に可愛がってもらったように思います。
祖父の息子である私の父は一人っ子で、祖母に甘やかされて育ちました。
そんな父が気に入らないのか、いつも二人はけんかばかり。
同じ屋根の下で暮らしながらも、顔を合わせば言い合いになってしまうので、周りがあまり一緒にさせませんでした。
ですが、お互いがお互いを嫌っているわけではなく、信頼し合っているようでした。
そんな祖父が亡くなり、私は仕事を早退して実家に帰りました。

あまりにもショックだと涙は流れない

長女の私が明るくいないと、という思いは常にあったためか、実家の最寄りの駅に着く頃には涙はとまっていました。
弟が迎えに来てくれたのですが、それは祖父の愛車でした。
家に着くと泣き腫らし目を真っ赤にした母と妹、やることが山積みで呆然としている祖母、ただじっと祖父の亡骸を見ている父がいました。
「ああ、祖父は本当に死んでしまったんだな」とその時はっきり思いました。
涙は流れませんでした。

自由な家族葬儀だからこそ流せた「赤とんぼ」の歌

祖父の葬儀には祖父が好きだった「赤とんぼ」を流すことになりました。
私や妹に「俺が死んだら葬式で流してくれ」と「死」の予感を微塵も感じさせない頃、言っていたのです。
私がその話を家族にすると、皆賛成してくれ、葬儀場の方は快く引き受けてください、生ピアノ演奏を手配してくれました。
気取らない祖父らしい、とても素敵なお葬式になりました。
あれからずっと、祖父のことを思うときは「赤とんぼ」のゆったりしたメロディが頭に浮かびます。
祖父は元気でやっているでしょうか。
いつまでも私達家族を見守っていてくださいね。

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